
「カーボンニュートラルと創造性ゼミ」ではゼミの一部を皆様に公開し、
問題意識を共有すると共に、視聴者の皆様とも一緒に新しい未来を描くことを目指しています。
ゼミ7回目となる今回は、「スウェーデン 経済と環境のデカップリング」と題し、京都大学大学院経済学研究科教授 諸富 徹さんをゲストに迎え、世界各国が直面している「生産を増やせばCO2排出量も増える」というかつては当たり前だったが、これからはそれが許されなくなる大きなジレンマをスウェーデンがどう解決したのか?
CO2排出量を削減することで経済成長を遂げる、すなわちCO2を減らせば儲かる、というサイクルにどうすれば日本が入っていくことができるのか?
というこのゼミの根幹とも言えるテーマについてうかがっていきます。
日本もスウェーデンも1990年から2020年までの31年間でどちらもGDPは成長し、CO2排出量は削減していますが、その程度は大きく異なります。
1990年対比で見ると2020年の日本はGDPは167%の成長、CO2排出量は95%への削減を達成していますが、同じように見ると2020年のスウェーデンはGDPが208%の成長に対し、CO2排出量は67%まで削減しています。
GDPをCO2排出量で割った値、つまり単位当たりのCO2排出に対してどれくらいの経済効果を生み出せたかの効率を「炭素生産性」と言います。
この炭素生産性で見ると、日本は1990年が約2.9、2020年が約4.9と31年間で1.7倍の伸長を示していますが、スウェーデンでは1990年が約3.8、2020年が11.9と3倍を超える伸びを示しているのです。
この違いを見ると「経済成長も頑張る。CO2削減も頑張る」ではなく「CO2削減を頑張ると経済が成長する」という産業構造を手に入れなければ時代が求める環境と経済の両立、いわゆる「デカップリング」は実現できない、と強く感じます。
スウェーデンが成功した産業構造の変革と日本がそれを可能にする方法について諸富教授のお話しをうかがい「カーボンニュートラルに向けた日本の創造性」を考えて行きます。
今後配信の予定(日程、内容の変更の可能性があります)
● 7/4(月)18:30-19:30
「コスタリカ 環境と再エネへの挑戦」
カタリスト 伊藤千尋さん (国際ジャーナリスト)