2022.3.1

Sustainability

【連載】Sustainable Sketch by サスデイラボ Vol.2: 八百万神サイクル

サステナブルドリーマーズなクリエイティブ集団「サスデイラボ」が、エスキースから試作制作までをこなせる職能を活かし、サステナブルな社会をつくるプロダクト、仕組みや思想につながるようなアイデアを提案する連載。

#【連載】Sustainable Sketch 


巷には、「サイクル」という言葉があふれている。

例えば、PETボトルを回収し、原料にもどしてから再びPETボトルをつくるのがリサイクル。廃棄物などに新たな付加価値を持たせて別の新しい製品にアップグレードするプロセスはアップサイクル。逆に、使い古したタオルを雑巾として利用し、最後はごみとして処分するのはダウンサイクルだ。

そして、今ここに、新たなサイクルが生まれようとしている。
自然の一部を拝借し、暮らしの道具や遊びの道具に替え、朽ちてもゴミにならず、再び自然にもどる、名付けて「八百万神(やおよろずのかみ)サイクル」。

誰もが何らかのサイクルを実践する時代に、その半歩斜め先を行くサスデイラボのアイデアを見てみよう。


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Sustainable Sketch 01-1:落ち葉メモ

落葉樹の葉っぱをメモとして使うアイデア。サクラ、イチョウ、モミジなどの色鮮やかな落ち葉を買い物リストやお帰りメッセージなどに使うことで、メモを使う自分とメモが使われる場面をぐっと引き立てる。

Kaji:葉っぱの形のメモってあったりするけど、葉っぱそのものでいいと思うんよね。買い物リストとかすぐに捨てるし、紙を使う必要ないな、と。

「落穂拾い」って有名な絵画あるけど、ぼくらは「落ち葉拾い」してメモに使う。


Ippo:スーパーで葉っぱメモをポケットから出す感じがいいね。


M子:落ち葉って、メモに使えるの?



Sustainable Sketch 01-2:落ち葉メモ(実践例)

写真左:買い物リストに使用した例、写真右:お帰りメッセージに使用した例


M子:へ~。ほっこりするわね。


Kaji:枯れ草も使える。



Sustainable Sketch 02:枯れ草パーティション

オフィスのパーティションは、他人からの目線を隠して集中力を高めたり、簡易的なミーティングスペースをつくったりするために用いられる。枯れ草のパーティションは、一般的なパーティション機能だけでなく、無機質なオフィス空間に自然の一部を取り込むことによる視覚的なリラックス効果も期待できる。

枯れ草なので、水やりの心配がなく、必要なくなれば自然にもどすことができる。


M子:枯れ草の束ね方が気になるわ。


Taka:お~!侘び寂びを感じるねぇ。じゃあ、こんなのはどう?



Sustainable Sketch 03:数寄屋バッグ

日本建築様式「数寄屋造り」をオマージュしたバッグ。全ての部品は自然素材で、接着材等を使用せず構成されており解体が容易。損傷しても部品の交換が可能で、解体した各部品は別用途に転換可能。ひのきは箸に、竹は調理道具になど。拘り抜いた素材なので使い込む程に味わいが増し、そしていつか自然にもどる。


M子:木軸工法(木造軸組構法)の必要性がわからないけど・・・・、すごそうね!


Kaji:海にも、色々な素材があるよね。



Sustainable Sketch 04:フォトスタンド 砂っぷ

夏の海の思い出をそのままフォトスタンドにするアイデア。写真をたてられるくらいの程よい広さ、深さ、重さがある器に海の砂を入れる。


Kaji:ひっくりかえしたら悲惨やけどね。


Taka:砂のアイデア、僕も考えたよ。



Sustainable Sketch 05:砂子

砂をつめることができる大きなクッション袋の提案。砂を入れた後も形状を自由に変化させソファとして使うことができる。必要なくなれば、砂を元の場所にもどす。ソファ型クッションは粗大ごみ扱いとなる自治体がほとんどだが、この場合、袋部分だけ一般ごみで出すことができる。


M子:イタリアの名作家具にSACCOっていうソファがあるけど、これは、SACOね!


Taka:いや、「すなこ」と読む。


M子:そこは、和にこだわるのね。


Taka:砂じゃなくて、豆粒を入れるタイプも考えた。



Sustainable Sketch 06:豆子

「豆な人に育って欲しい。」子の幸せを願うのは昔も今も変わらない。食べることに困らぬようにと、食べ物を潜ませるファーストトーイ。


M子:お手玉を思い出したわ。確か戦争中に親元から離れる子に小豆を入れたお手玉を持たせたのよね。

Ippo:海のものといえば、砂以外にもあるよね。例えば、貝殻とか。



Sustainable Sketch 07-1:エクストリーム足ツボロード

足ツボマットならぬ足ツボロード。処分されるツブ貝を庭の地面に埋め込む。強い刺激を好む人向け。


M子:マンションだと無理ね。


Ippo:室内バージョンも考えたよ。



Sustainable Sketch 07-2:エクストリーム足ツボコルクマット

処分されるツブ貝をマット状になった再生コルクに埋め込む。やはりこちらも強い刺激を好む人向け。


M子:再生コルク?


Ippo:そう。ワインのコルク栓をリサイクルしてできたマット。


M子:へ~。


Kaji:海のものといえば、お刺身が大好物なんやけど、困ってんねん。


M子:どんなこと?


Kaji:スーパーでお刺身はパック売りなんやけど、思うような組み合わせがないねん。

ツマも大根とかが大量に入ってて、残してしまうし。


M子:まあね。


Kaji:そこで売り方考えたんやけど・・・・。


M子:なになに?聞きたい。



Sustainable Sketch 08-1:刺身の売り方の提案

刺身売り場にはホタテの貝殻が置いてあり、好きな切り身をホタテの貝殻に入れて持ち帰るスタイル。


Kaji:ツマの大根は自由。


M子:雰囲気はあるわね。


Kaji :さらに、続きがあって、盛り付けはホタテをドッキングして・・・・。



Sustainable Sketch 08-2:ホタテジョイント

ホタテの貝殻どうしをつなぐことができるジョイント。深みのある金属色と意味深な形状がホタテの貝殻とお刺身をより一層ひきたてる。使わなくなった貝殻はお店の回収BOXに。

回収されたホタテ貝殻は専門業者により粉砕され焼成の後、除菌・消臭剤や肥料として使われる。


一同:おぉー!


Kaji:いままでホタテ貝殻といえば、水着だったでしょ。


M子:え、そうだっけ?!




Sustainable Sketch 08-3:ホタテ水着
今から約30年前、女優が自身の写真集で披露したホタテ水着姿が衝撃を呼んだ。

一同:(笑)。

Taka:ホタテ水着、あったね〜。今もあるけど。

M子:あるの?!

Taka:青森県むつ市のふるさと納税の返礼品で「ホタテ水着」があるよ。

一同:あるんだ!


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「八百万神」とは、山、海、森や木などの自然界に神様が宿ると信じ、自然を拝み共に生きてきた古代日本の神観念を表す言葉である。

そして、山や海に限らず、田んぼの神様、台所の神様、豆粒の中にも神様がいるという考え方は、地球に住まわせてもらっているというサステナブルな考え方にも通じるのではないか。太古の昔、人々は、狩猟・採集の生活を送り、石の道具を用いていた。木器や石器、骨角器のほかに、土器もつくるようになった。

いわば、「八百万神サイクル」の実践者だった。

我々の暮らしを昔の暮らしにもどすことはできないが、今の暮らしの中で楽しみながら実践でき、省資源や省エネルギーにつながる「八百万神サイクル」のアイデアはまだまだありそうだ。

●Profile

サスデイラボ:

2021年5月に結成。サステナブルへの探求心を認め合い、研究と実践を行うクリエイティブ集団。評論するよりアイデア出そうが暗黙の了解となっている。穏やで熱く、駄洒落好きな面々。

Taka:早川貴章(プロダクトデザイナー/ http://chodesign.jp

Kaji:梶本博司(プロダクトデザイナー/ http://hiroshi-kajimoto.com

Ippo:古小路一歩 (インテリアデザイナー/ https://www.hutocolo.com

Syota:組地翔太(プロダクトデザイナー/ http://www.kumijidesign.com/

M子:早川昌子(環境NPO事務局/「古民家びと」編集長https://cominka.jp