2021.12.28

Creativity Future Forum

【レポート】DAY1 CREATIVITY BUSINESS FUTURE

ビジネスデーでは日本の発展成長と創造性について考えます。
取り組んだ大きなテーマは二つ。カーボンニュートラルと地域です。
どちらも時代と社会の大きな課題であり、同時に日本の次の成長の大きなチャンスでもあります。
危機を機会に変えるには問いから考える姿勢と越領域的な創発、すなわち創造的な取り組みが不可欠です。
人間は生まれながらにして誰もが創造的であると信じるUoCが一人ひとりの創造性による次世代の発展を目標に、異能たちの衝突と創発のセッションをお届けしました。

田村 裕俊

#テクノロジー  #サステナビリティ  #SDGs  #脱炭素社会  #気候危機 




テーマ1
カーボンニュートラル


資源消費と経済成長をセパレートして持続可能性と発展を高次元で両立することは社会、経済、テックに求められている最大のチャレンジです。
しかもESGへの世界の投資資金は昨年3900兆円で前年比115%、運用資産シェア約36%と投資の主流を占めつつあり、グリーンに向き合わない国家・産業・企業は成長サイクルから取り残されるリスクが大きくなっています。
二酸化炭素削減の課題によってわたしたちが試されているのは人類として生き残るための、そして国際間競争に取り残されないための創造性かもしれません。
 
産業経済には巨大な慣性法則が働いています。多くの人の雇用やその家族、生活が乗っているということがその大きな理由だと思います。
しかし、今直面している試練を乗り越えるのに必要なのは慣性法則の中に答えを求める態度ではなく、むしろ慣性法則の外に問いを見つけに行く態度なのではないでしょうか?
こうした意識で「カーボンニュートラルと創造性」と題し、二つのセッションを企画しました。
それぞれ異なる立場や専門性のもと突出したチャレンジを実践している賢人たちの衝突と創発によっていくつもの大きな気づきが得られたと思います。


 

カーボンニュートラルと創造性①~待ったなしの二酸化炭素削減に必要な仕組みを考える


カタリスト

いとうせいこう
作家・クリエーター
堅達 京子    
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
梶川 文博    
経済産業省環境経済室長
前田 雄大    
Energy Shift 発行人兼統括編集長   
清水 佑介    
Signing クリエイティブディレクター





自ら作る人になることで世界が変わる?


このセッションでは二酸化炭素削減と密接にかかわるエネルギーへの向き合い方についていくつかの重要なヒントが提示されました。
大きいものを大きいまま動かさず小さく分散させていくこと。
生産者と消費者、需要側と供給側、組織人と個人、どちらか一方だけという人は誰もいないこと。大きなものをつくる組織に所属している人も自ら小さく作る人になれること。
そのことでより大きなものの一部になれること。
必要なのは大きな目標とのギャップに心が折れてしまわないように自分がより大きな力の一部であることが見える仕組み、実感できる仕組み。
圧巻だったのは電線のない場所にEVで集まり自分たちが再エネで作って持ち寄った電気でライブをやるアイディアです。「今これを俺たちが作ってるんだ」と後ろに集まった車たちが一斉にクラクションを鳴らす。前方の聴衆もそれにうおーっと答える。そんなことが一発あれば世界は変わり始めるんじゃないか、と。
このセッションを終えて、大きな危機を乗り越えるために産業側と消費側の間に共感の力学を働かせていきたいと強く思いました。そのためには一人ひとりがそのどちらでもあることに自覚的であることが必要だという気づきがありました。

このセッションの動画リンク0:25:39



カーボンニュートラルと創造性②~2050年のディープテックと生活をプロトタイピングする


カタリスト

村木 風海
化学者兼発明家・CRRA機構長
能村 貴宏
北海道大学工学研究院 附属 エネルギー・マテリアル融合領域研究センター エネルギーメディア変換材料分野 准教授    
宮本 道人
SFプロトタイパ―
竹内 慶
博報堂 チーフイノベーションプラニングディレクター







物語の力


このセッションでは危機の解決に資するディープテック、ムーンショットにそれぞれ違ったアプローチで取り組んでいるお二人を招き、SFプロトタイピングの方法論で未来の創発に挑みました。
得られた気づきは危機を解決するのに必要なネガポジの逆転と、それを駆動する物語の力です。
二酸化炭素を資源として吸収しエネルギーとして再活用するCO2経済圏を作る。
二酸化炭素から何を作り出すかをこれから100年楽しむ。
資源のない国は地球上からなくなり火星も資源の宝庫としてフロンティアに変わる。
議論の現場に次々と未来の姿が浮かんできて出口のない危機がわくわくする挑戦に逆転する瞬間を目撃することができました。
朝ごはんも二酸化炭素から作る日がやってくる?
「二酸化炭素ご膳」、ぜひ実際に食べてみたいと思いました。

このセッションの動画リンク1:42:51



テーマ2
地域


そしてもう一つビジネスデーで取り上げたテーマは地域です。
コロナとDXに直面する中で、これからの日本の大きな伸びしろは自律分散にもとづいたそれぞれの地域や地方の発展にあるんじゃないか、ということは今、生活実感を伴った確信に近いものになっていると思います。
二酸化炭素削減に向けた鍵も、誰もが使う人でありながら同時に作る人になっての自律分散にありそうでした。
二酸化炭素削減の解決と地域活用による成長はいみじくも相互補完的な関係にある気がしてなりません。
地域のテーマでは二つのセッションと一つの特別対談を行いました。


地域 セッション1
地域の創造性をブーストしよう~トーキョーの会社人に出来ることはある?


カタリスト

野澤 友宏    
ニューホライズンコレクティブ合同会社 代表
土田 雄介    
ニューホライズンコレクティブ合同会社 プロフェッショナルパートナー | 株式会社エンジョイワークス 顧問    
藤井 篤之    
アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ マネジング・ディレクター
鷹觜 愛郎    
東北博報堂エグゼクティブクリエイティブディレクター | 博報堂クリエイティブディレクター | Locai.Biz 編集長
大里 学
UoC フィールドディレクター

大都市で働いている典型的な第3次産業人が、地域の発展に本当に役に立つこれからの動き方を創発するセッションです。
地域発展への貢献を志すそれぞれ異なる広告会社、コンサルティング会社で働く普通はライバルと目される5人がライブのブレストに挑戦しました。








このセッションについては実際にどんな議論が展開されたかはアーカイブを見ていただくのが一番ですが、協力してアイディアを紡ぎあげる機会がなかなかないはずのメンバーが集まり、都市と地方の間に勝ち負けを生まない真の生産性を楽しく真剣に考える貴重な機会になったと思います。
当たり前ですが組織もしょせん人でできていて、組織を超えて協力し、利他の思想でこれまでを超える大きな生産性を生み出して行けるという希望を得ることができました。
都市と地域の相乗効果を探る中でこれからの働き方やウェルビーイングのヒントが出てきたのも興味深いところです。

このセッションの動画リンク3:02:24



地域 特別対談
「行政はクリエイティブそのもの」長谷部健渋谷区長×UoC主宰市耒健太郎


動画3時間9分から




自治体の施策の中長期的な基盤となるのが基本構想ですが非常に重要なものでありながら住民にあまり浸透していないこともよくあります。渋谷区の基本構想のタイトルは「ちがいをちからに変える街。渋谷区」ですが長谷部区長は区の子どもたちが自分の暮らす街をそう思うことを目標にし自分はそのためのプロデューサーであると捉えているそうです。
子どもがそう思ってくれる地域を作ることが仕事なら区長は幸福な仕事だとあらためて実感しました。
政策は未来を作るものだから政策立案をリードする自治体首長ほど創造的な仕事はなかなかないとUoCは思っています。

このセッションの動画リンク3:08:55



地域 セッション2
創造性特区をつくろうプロジェクト~2040年の市役所(町・村役場)をプロトタイピングしよう


カタリスト

創造自治体研究会チーム
福井県
多摩川源流チーム
東京都檜原村・山梨県小菅村    
UoCクリ産ゼミチーム
東京都島嶼部
大里 学
UoC フィールドディレクター

みんなの創造性を底上げする社会の実現を目指すUoCの研究・実践プロジェクト「創造性特区をつくろう」がプロトタイピングの実況中継に挑戦。
2040年に、「創造性特区」が実現しているとしたら基礎自治体の中心である市役所(町・村役場)はどんな姿になっているか?
メンバーの職能や背景が様々で、対象とする地域・基礎自治体が異なる3グループが持ち寄ったアイデアをベースに、ディスカッションしながら、新たな市役所(町・村役場)のカタチを探しました。






未来の市役所の姿を考えることを通して浮かび上がってきたのは市役所そのものの形にとどまらないもっと本質的な問いでした。
副業の促進によって役所に行政サービス側の立場だけという人はいなくなるのではないか?逆に役所の外に行政サービスにまったく寄与しない人もいなくなるのではないか?
離島など完結した地域環境では役所の機能はEVのような移動体に分割されエネルギー対策や防災、新雇用創出を兼ね、役所自体が大きな社会実験装置になるのではないか?
地域住民は何の系に所属して住んでいるのか?実は境界線で区切った行政地域よりも、水という生命生活のインフラたる川の流域により強く所属しているのではないか?
そう捉えれば流域で上流と下流の交流や攪拌、つまり地方と都市の相乗効果が引き出され始めるのではないか?
このセッションではバックヤードのデザインチームがディスカッションで出たアイディアを即興の3D映像に仕立てて現場に投影し、さらに創発を刺激するという実験にも挑戦しました。

このセッションの動画リンク4:13:52

Catalyst
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田村 裕俊
UoC プロデューサー

博報堂で30年営業職を務めたあと UNIVERSITY of CREATIVITY 準備室に異動し事務方代表として機関の立ち上げに参加。 UoCでは社会課題解決とビジネスの連結による次世代型経済成長をテーマに INDUSTRY 領域のリーダーを務める。 私生活では2人の子どもを自然派無認可保育園に通わせ20年来様々な活動に関わる中で自然教育とコミュニティーへの関心に目覚める。

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