2022.2.22

Diversity Equity & Inclusion

DE&I、クリエイティビティそしてイノベーション

「月刊経団連 特集 企業におけるジェンダー・ダイバーシティ -リーダーの本気度を問う」(2022年2月号)にわたしの寄稿が掲載されたので、ご紹介させていただきます(以下、転載)。
企業にとって、なぜDE&Iが大切なのか?について、わたしの考えを書いています。ぜひご一読いただき、ご意見をお聞かせください!

本橋 彩

#Diversity Equity & Inclusion   #女性の創造力  #創造性  #クリエイティビティ  #SDGs  #KnowdifferenceLovedifference  #【連載】Know difference... 

すべてのニンゲンは生まれながらにして創造的である

 
「UNIVERSITY of CREATIVITY」(主宰:市耒健太郎。以下UoC)は、未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究開発し、社会実験していく場として2020年9月に開港しました。UoCは、社会でAI、IoT、ビッグデータが急速に普及する今こそ、創造性を人類最大の資本として捉え直し、新しい文明の地図を描くための「クリエイティビティの港」となることを目指しています。文理芸や産官学の壁を超えて多様な創造性の研究と実験の掛け算を生み出すことで、世界の課題解決や新しい感動の源泉発掘につなげたいと考えています。UoCの理念は「We are ALL born Creative. すべてのニンゲンは生まれながらにして創造的である」です。年齢や職業を問わず、すべてのひとに開かれた創発プラットフォームです。
 

UoC Mandala | 対話をする場所
 
私はダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下DE&I)をテーマに、一人ひとりの個性、属性、感性をありのままに活かすことで、社会全体の豊かさを増進することができるのではないかと考えて、哲学者、シェフ、医学者、データサイエンティスト、工学者、経済学者、社会学者、起業家、企業家、教師、禰宜、アーティスト、建築家、居酒屋店主、エンジニア、記者、LGBTQ+、政治家、学生、子ども、デザイナー、社会活動家、テレビ番組プロデューサーなど、さまざまな方々と対話させていただきながら、研究と社会実装を進めています。
 

イノベーションを起こすために必要な創造性

 
“創造性”とはなんでしょうか? UoCではその研究を進めていますが、創造性の定義は一つではなく、いろいろな捉え方があります。私がいろいろな方々とお話しする中で、多く挙げられたのが「創造性はワクワクする新しい組み合わせを見つける力」でした。 経済学者のシュンペーターがイノベーションを「新結合」と表現しましたが、創造性は私たちの想像を超える「まさか」なイノベーションを生むために必要な力といえます。
では、どうしたら創造性を発揮できるのでしょうか? 研究を進めていく中で「よい問い」が創造性の源泉のひとつなのではないかと考え始めています。「よい問い」とは、自分の内側からこみ上げてくる内発的な問いです。そしてよい問い自体が、新たな視点やアイデアを見つけて、また新たな問いを生んでいく、ずっと探求し続けられる、イノベーションにつながる問いの連続です。近年注目されている、内発的な探求プロセスを大切にするアートシンキングにも通ずるものがあります。
 

創造性の発揮につながる、よい問いを生むための土壌が、DE&I

 
「よい問い」を生むために、大事になってくるのがDE&Iです。DE&Iとは、外的属性(性別、年齢、国籍、障がいなど)や内的属性(ライフスタイル、職歴、宗教など)の違いを尊重するということですが、つまりは個性の違いを尊重するということだと私は考えます。
私の研究ではDE&Iを大切にしながら、さらに越領域(えつりょういき)であることを意識しています。越領域という場に集まるのは、いわゆる職業の専門性だけではなく、一人ひとりの美意識や好奇心、発想力、ライフヒストリーでもあります。またプロフェッショナルだけではなく、ピュアなアマチュア性も集まります。哲学者、シェフ・・・子どもまで、いろいろなひとたちがやってきます。私は、いつも多様な生き方が集まっていることを感じています。越領域の出会いから生まれる化学反応が、本当に面白いんです。ゴールをあえて設定せずに最初の問いから始まるのですが、一人ひとりの専門性や生き方からの視点、美意識や好奇心、発想力がぶつかり合い、想定できるような方向に話は全く向かわず、次々に予想を越えたワクワクする新たな視座、世界が開けていきます。よい出会いは「よい問い」の連鎖を生んでいくプロセスが、まさに私の目の前で起こります。
越領域は、DE&Iをさらに一歩踏み入った位置づけかもしれないと私は感じています。DE&Iの理念を満たしたうえで、さらに個人の生き方そのものが、個人の自由な発言と態度によって縦横無尽に交わり、溶け合うプロセスがあるからです。
そして、私がDE&I≒越領域の場をつくるときに大切にしているのが「共感」です。相手の話をよく聞いてその背景やストーリーを理解しようと努力して、自分と相手との違いを冷静に理解して認める、理性的な共感です。共感を大切にしている土壌では、安心して自分らしくいることができ、お互いの違いを受け入れることができ、「よい問い」が生まれる可能性の先に、創造性が発揮される機会が増えていることを実感しています。


UoC System | 越領域からよい問い、創造性が生まれる。「まさか」なイノベーションが生まれる
 

越領域から「よい問い」、創造性が生まれ、「まさか」なイノベーションが生まれる

 
DE&Iは企業や社会の目的ではなく、一人ひとりの個性をありのままに活かして、よりよい人生、よりよい未来を創るための大切な手段です。それぞれの企業内での取り組みは、しっかりと行われるべきですが、ここでご紹介した「越領域」のような〝一歩踏み入ったDE&I〟の場づくりは、ひとつの企業の中では機会が少ないかもしれません。
UoCは、自分たちの創造性でよりよい未来を創りたいと思う人々が、いつも越領域で集まっている場所です。みなさんの創造性を刺激する、多様な美意識や好奇心、発想力に出会いに、UoCにいらしてください。みなさんとUoC、そしてみなさん同士の越領域から、どんな問いが生まれるのか、とても楽しみです。

Catalyst
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本橋 彩
UoC プロデューサー

大学時代に建築を学び、空間を通して五感で感じる感動をお届けしたいと思い、長年文化事業プロデューサーとして、クライアントや官公庁、テレビ局や新聞社と共に、大型の美術展やコンサート、ステージの企画制作を手がけてきた。文化事業を通して、企業や社会の課題をポジティブに解決することを得意とする。わかりやすく楽しいプロモーションを企画しつづけ、2012年に手がけた美術展はイギリスの美術館・博物館専門月刊紙「アート・ニュースペーパー」で「2012年世界で最も人気のある展覧会・美術展」に選ばれた。 能楽や茶道を楽しみ、伝統を大切にしながら、常に新しい表現方法、コミュニケーション方法を模索している。 インスピレーションの元は、5歳の娘と遊ぶこと。

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