2022.8.26

創造性ゼミ 2022

【レポート】ヨガ体験|Create your own canvas|古代ヨガから学ぶ…(2022創造性ゼミ第7回)

創造性ゼミ2022 『ヨガ入門|Create your own canvas|古代ヨガから学ぶクリエイティブマインドの作り方』
第7回 『Yoga Nidra - 眠りの瞑想 - 無意識の中の意識』ではゲストNidraガイドにDarshini Prajaptiさんをお迎えしました。

Toshiko

#ルーティーン  #universityofcreativity  #UoC  #日課  #非言語  #瞑想  #ヨガ  #新体験  #健康  #クリエイティビティ 

UoCヨガ入門ゼミはふだん朝方に開催されるそうだが第7回の「Yoga Nidra - 眠りの瞑想 - 無意識の中の意識」は眠りのヨガということで夜に開催された。
 明るい装飾のUoCの中でも少し照明が落とされたモニター前のスペースに参加者は集まっていた。運動着でヨガマットを借りて各々じっと待っている。
今回、ライターのわたし大北栄人も片隅で参加。
 


最初にガイドであるトシコさんから説明がある。今回行う眠りのヨガとは「ヨガニドラ」というそうだ。
 ヨガニドラとは眠りの瞑想である。でも眠りといっても実際眠るわけではなく意識はもちろんあるし、記憶や深層にある意識にアクセスしていくようなものだそう。
それは短い時間でも深く眠ったような効果が得られるという。
なんて素晴らしいヨガなんだろうと心がときめく。眠りに効果があるドリンクがSNSで爆発的な流行を見せる時代に、私達が喉から手が出るほど欲しい効果である。
モニターにはインドのケラーラ州ダシニさんとインターネットでつないでいる様子が映し出されている。
ダシニさんはかつてトシコさんもヨガを習った先生で、いわばヨガの先生の先生であるそう。今日はこのダシニさんのガイドをトシコさんが翻訳してガイドをするという。



ヨガニドラとはヨガの睡眠



ヨガニドラとはサンスクリット語で「ヨガの睡眠」という意味だそう。
 
ダシ二さんによると私たちは眠りにつくとき頭の中で1000個にものぼるような考えごとを無意識的にしてしまっていて深い眠りに入っていけないという。私達の頭は何か一つ目的があるときは集中してるけれど、それがだめになったり急な変化があったときに刺激がある。その刺激を和らげる、物事を受け入れて流すような状態を作ることをヨガニドラは目的としているという。
 
仕事にしてもヨガにしても私たちは日々ちょっとしたストレスや負担を感じる。そこを減らすためには視点を変えていく、そんな方法でもあるという。ストレスを受け流す、なるほど。
 
また、私達の生活で完璧な食事を摂れないことはままある。そんな不健康な状態をどう改善していくかといえば質の良い睡眠をとることが大切であり、深い睡眠の効果を得られるヨガニドラはとても良いという。
 
まずどこに良いかというと副交感神経系である。私達は何か行動したときに交感神経系というアクセルがふまれ、その後にブレーキである副交感神経系が活発になる。ところが日々のストレスでこの副交感神経系が活発化しなくなってしまう。これを回復させるのが瞑想だったりヨガニドラだったりするという。
 
また一種の瞑想方法でもあるヨガニドラは脳の普段使うところではなく潜在的なところを使うという。投影されたスライドには脳波の図が現れる。普段私達が起きている脳波がベータ波だとするとうつろうつろしているのがアルファ、その先は眠っている状態のデルタ、ヨガニドラはさらにその先の瞑想でしかたどりつかない状態であるセータ(シータ)の脳波を目指すという。
 
神経系によく脳波も落ち着かされ、大いなるリラックスが得られる。そのことは実際の病状だったり体の不調にも役立つという。
 
体の調子がおかしいというのは、体の左右のバランスがおかしかったり、感覚が麻痺化したり鈍くなることによる。それは体が自分とつながってない状態でありそれは「意識が外側を向いた」状態であるらしい。ヨガニドラでは意識を内側に向け、体と心のハーモニーを探る。そのことでストレスや不安な状態を和らげ実際の体の調子を改善するという。
 
また何度もヨガニドラをすることで体が本当にリラックスすることを学んでいく。そうすると体は「本当のお休み」になり、病気の原因となり得るようなものを自分の外にリリースするチャンスを体に与えることができるという。
 


事前に決めておくポジティブワード

 
そんないいこと尽くめのヨガニドラであるが、実際に始める前にいくつかの注意点がある。
 
それは眠りのヨガであるがであるが寝ないこと。そして体を動かさないこと。指一本でも動いてしまうと意識は体の外側を向いてしまうようだ。
 
といってもこのゼミは夜に行っているしリラックスした状態になるとウトウトとしがちである。それでも「起きてください」と自分自身に言い聞かせないといけない。
これはなかなか難しそうだ。
 
そして一つの目標やポジティブな言葉を決めるよう指示がある。「私は幸せです」でも「私はとても健康です」でもなんでもいいらしい。
ヨガニドラは深層意識に達することを目的としている。その深層意識の土の中にポジティブな言葉の種を植え、そこから木を生やしていくというイメージだそうだ。
私という人間の中にポジティブの植林が行われるのである。リラックス、健康に加えてポジティブまでしていただけるとは。
何から何までヨガニドラさんにはお世話になりっぱなしである。




まずは寝ないようにする



ここからはトシコさんがガイドとなってまず体を温めることから始まる。眠りに入ってしまわないように、ちょっと体をポカポカした状態にしておくそうだ。
 
まずピンとしながらもリラックスしたあぐらのような状態から呼吸が始まる。酸素濃度を上げていくバストリカという呼吸方法で10回連続スーハー、スーハーとお腹をペコペコさせながら体の中に熱を作っていく。
 
そこから大地のチャクラ、ムーラダーラという骨盤の真ん中から力をこめて今度は胸が膨らんだりしぼんだりする呼吸に。そしてまたバストリカ、またムーラダーラ、と体を内部から温めきる。
 
今度は三角座りをしてから坐骨で体を支えたまま足をピンと伸ばしていく。体幹が鍛えられるやつである。きつい。体の中が熱くなっていくのを感じる。
 
 

動いてはいけないし寝てはいけない



そうして体が完全に温まったらいよいよヨガニドラへ。ヨガマットに仰向けに横たわって腕の力を抜き、シャバーサナという屍のポーズをとる。ここからは指一本でも動かしてはならないので、水を飲みたい人は水を飲み、寒い人はなにかかけるものを用意し、頭が気になるようならクッションを置き、万全の状態で臨む。体の置きどころを微調整する。
 
ダシニさんと翻訳するトシコさんのガイドに従って、瞳をとじていき、遠くに聞こえる音や近くで聞こえる音に意識を向けていく。音に意識を向けること自体新鮮だ。自分の使ったことのない感覚が早くも刺激される。
 
今度は今自分が横たわっている部屋の様子を頭の中でイメージしていく。これくらいの天井の高さで、ピカピカした照明があって…と思い出せる範囲でイメージしていく。
 
ここで「絶対に眠りに落ちないよう」頭の中で同じ文言を唱えるよう指示がある。
 
「私はヨガニドラの練習を行います。私はずっと起きたままです」と。
 
余程寝てはならないのだなと思わされる。実はこのゼミの後で、レポートを書くため録音した音声で自室でヨガニドラを行ってみているのだが毎回寝てしまっている。先生を前にした緊張感のおかげで寝なかったところがかなりある。
 
さてここで「ご自身の決意表明を行っていきます」といよいよ深層意識にポジティブの種を植えることが始まる。心の中で3回唱えるらしい。「私はとても幸せです」といったポジティブな文言を唱えるのであるが、私の場合は「私はユーモラスに生きます」に設定したので共感しにくい文言で申し訳ない。他の人よりまぬけな林が出来上がっていることだろう。
 
 

体のパーツに意識を向けて内側に留める



ここからは意識の転換。体の部位を一つ一つ指示されるのでそこに自分の意識を移していく。体に意識を向けていくことは意識を内側に留めておくためでもある。
 
まずは「右手親指」と指示がある。意識をしてみる。ただ、親指がある。少し温もりがあるように思う。つづいて「人差し指」に移る。それで何がどうなるわけでもないが、少しの意識の温もりが移っていく。普段しないことをしているのでおもしろい。
 
部位の意識はかなり細かく全身をめぐっていく。子どもだったら「飽きた」と早々に音を上げているだろう。だがこちらは大人なのでただ意識をして頭を空っぽにすることが心地よい。
 
徐々に意識する範囲を大きくしていき最後は体全体を意識をする。今度は体が地面と触れている部分に意識を向ける。一つ一つ丁寧に向けていく。
 
そこから吐く息を50からカウントダウンで数えていく。体の重みを感じながらカウントしていく。ちょっとした催眠術のような時間だ。だんだん集中していく。
 
体の重みを感じたら今度は体が軽く浮いているような感覚を感じていけという。すごい手のひらの返しようだ。次は「氷の上を歩いているかのような」冷たさをイメージして、終わったら体に熱の意識を持つ。またすごい手のひら返しである。こんな風に両極端を意識してみると少しは熱かったり冷たかったりを感じるのだから体とは意識次第で変わるものなのだなと思う。
 
ここからがすごい。「ご自身の中にある痛みの経験を思い出してみましょう」である。しかも精神的もしくは身体的に。自分が何を想像したかは思い出せないが今ここに寝そべってる人たちは痛みを感じているのである。少し変な事態だ。今度はまた一転して喜びを感じて追体験しようという。こういう催眠術みたいなテクニックがヨガとして伝わっているのか。すごい文化だなと思う。
 
時折眠りに落ちてしまわないよう「私は起きています」と心の中で唱えるよう指示がある。余程寝させたくはないようだ。
 


 

ふだん見ないものを見る




感覚を想像した後は情景の想像に入る。まずは目をつぶったまま目の前の空間は無限でずっと続いていると想像する。想像してはその場面や風景をただ見つめる、と。そんなことを考えたこともなかったのでこれは楽しい作業だ。想像できるとうれしい。
 
つづいてガイドが入る。まだ日が昇っていない公園に一人たたずんでいるところを想像する。それはきれいな公園で静かで平穏な空気が流れているという。「少し湿った芝生を歩いていきましょう」という。新宿中央公園と池袋南口公園の間のようなものを想像していたが、「鳥たちのさえずり、歌に耳を傾けましょう」というのでスッと鳥を登場させた。想像の世界は自由だ。
 
つづいてバラの茂みが広がっているというのでバラも登場させた。早朝の結露が花びらから滴り落ちるのまで想像する。公園には小さな池が広がっている。池の中は金魚が、林へ、寺院へ、と。このようにロマンチックで気持ちがよい描写が続く。これが心地が良い。外国を旅行しているような気分だった。
 
気分としてはそのような心地よい何かだったのだが、一通り終わったあとに思い出してみると灰色のぐにゃぐにゃしたものと黄色の何かがどこかのタイミングで出てきていた。これがどのガイドによるものだったのか思い出せない。とても不思議なイメージだった。
 
寺院の中に入った私たちはとある部屋へといざなわれる。聖者の絵が飾られているのでそこでじっと座り、ただただ座り続ける。音が遠ざかると調和のとれた感覚が自分自身を包み込むという。想像の中でもまた瞑想をするのだ。それは現実の自分よりも理想的な状態で瞑想をしている。入れ子構造のようにより深い瞑想へといざなわれていく。
 
何もガイドのない時間が長めにとられる。意識が一段階深いところへいってるのだろう。ここからはまた目の前の空間に意識を向けて、風景を観察し、タイミングを見計らって再び自分の決意を3回唱える。
 
ああ、私の決意が「ユーモラスに生きる」であるのが残念でならないが私に適したポジティブな決意であるので、私には大いに効果があった。
 
 

 

誰かに自慢したくなるような大いなるリラックス!


 


ようやく50分あたり。ここからまた現実に帰ってくる。体に意識をまた向け、また周りの家具や今いる空間に意識を向けていく。「ゆっくりと指先足先をじわじわと動かしてみましょう」で体が動き始める。はっきりと現実に帰ってきた。ゆっくりと目を覚ませると「これでヨガニドラの練習を終えます」と終了が告げられた。終わってしまった! 十分な時間はあったものの、もう少し続けたいくらいだ。
 
最後にマントラを唱える。「ハリオーン、タッサ」。意味がわからないがぼんやりしてるのでなんでもいい。自分のタイミングに合わせてまぶたをゆっくり開ける。足を開放し、リラックスしていく。
 
「リラックスできましたか?」
 
……大いなるリラックス!! 少しぼんやりとした意識とほのかに温かく軽くなったような体、あ~、よく寝た! というあのスッキリ感がある。でも実際は寝ていない。いや、もしかしたら寝てたのかもしれない……と不安になるくらいスッキリしている。これは心地が良い。
 
ヨガニドラは自分で思い出して30~40分練習するだけで3~4時間の睡眠に匹敵するようなリラクゼーションを得られるという。何度もやってみてほしいというダシニさんとの中継が終わり、参加者とトシコさんでいくつか質疑応答がある。
 
やはりヨガニドラは習慣化が有効。回を重ねるごとに深層意識にアクセスしやすくなっていく。決意は毎回変わってもよい。ヨガは朝に行うと良いことが多いけれど、このヨガニドラはリラックスしすぎるのでその後仕事もしにくいだろう。なので夜寝る前に行うといい。昼寝前にやってもいいし、移動の時間に座ったままでやってもいい。歌詞のない音楽を流して外の音をシャットダウンして行うとやりやすいそう。
 
後々自分でもヨガニドラをやっているのだがやはり寝ることとの戦いでもある。トシコさんによると瞑想は基本的に自分自身を内観していくことが多いが、ヨガニドラは眠りに導入していくもの。でも眠ってはいけないもの。リラックスと覚醒のはざまにいるような自分を観察していくそうだ。
 
参加者の方はどこの公園を想像しようか、どこの景色を思い浮かべようか、と創造性がかきたてられるのがよかったという。普段しまっている思い出の引き出しが開いたりとかもするので、自身のトラウマと向き合うようなことができたりパニックになったりする人ももちろんいるが自身を見つめることが大事だという。
 
トシコさんが初めてニドラを受けた時は深い眠りに落ちたと思っていたら忘れていたことを夢見て、それがはっきりとは思い出せないが1 時間後ぐらいに思い出したという。潜在意識にどんどん入り込んでいくので不思議な体験ができる人もいるそうだ。おもしろい…!!