2022.5.9

Sustainability

【tokonoma vol.2】Peace Land, Mikio Hasui

もうかれこれ20年以上にわたって作成しているシリーズです。
世界中の水平線をリンフォフノパノラマカメラで撮影しています。
水平線とは、空と海のボーダーラインです。
しかしそのボーダーラインはどこまで行っても遥か彼方にあり、決してそこに立つことはできません。しかし、その遥か向こうから自分を見れば、今立っているここがまさにボーダーライン上なのです。世界にはさまざまなボーダーラインがあります。肌の色、宗教、国境、ジェンダーなど数えきれません。現在まさに起こっている戦争や紛争も、その原因の多くはボーダーです。この目には見えない観念によって多くの人が苦しみ虐げられています。それを遠くのことと傍観するのではなく、自分自身もそのボーダー上にいるという意識を持って生きることが大切だといつも思っています。このパノラマのシリーズを制作し始めた時に、果たして平和とはどこにあるのだろうか、何が平和とそうでないということを区別するボーダーなのだろうかと言うことを考えてこのシリーズタイトル Peace Land を決めました。自然の美しさだけではなく、そこから導き出される意識を自分なりに再認識しつつ、この作品を撮り続けていきたいと思っています。 

蓮井幹生





















Linhof/リンホフ 617S III+Schneider Super Angulon 72mm f5.6 XL print c41

【Tokonoma】は、日本家屋におけるお客様を迎える床の間のように、UoCウェブサイトのトップページにおいて様々な非言語の創造的表現を紹介する連載です。

Catalyst
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蓮井幹生
写真家

1955年生まれ。独学でデザインを学び、30歳で写真家に転向する。 ポートレイト、風景、ドキュメント、ファッション、広告と様々なジャンルでボーダーレスに活動。 アートワークとしての写真作品には、精緻な美しさとストーリーのある作品が多く、海外におい ても高く評価され、ベルリンやロンドンにおいて展覧会を開催。フランスではフランス国立図書 館に作品が収蔵されている。 また2000年頃から動画にも活動の幅を広げ、演出と撮影、編集などでPVやCMの作品も多 い。最近はアトリエを長野県の茅野市に構え、ポートレイトと静物のスティルライフに力を入れ ている。 代表作はパノラマカメラによる風景写真 [PEACE LAND]や、 霧の風景を撮影した[HIDDEN LANDSCAPE] 多くの署名人を撮影した「肖像」など。写真集など多数。

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