2022.6.1

Sustainability

【連載】ISSUES Vol.3: World Theater Project

創造性で社会を変えるために、いま取り組むべき課題とは?社会課題に最前線で取り組むNPO・NGOなどの団体によるリレー連載。

#【連載】ISSUES   #SDGs  #サステナビリティ 


Photographer:Yoshifumi Kawahata




皆さま、はじめまして。


NPO法人ワールドシアタープロジェクトで副代表をしております菊地夏美と申します。

学生時代にこの活動に出会い、子どもたちへの“夢の種まき”である取り組みに共感し、普段は民間企業で働きながら、ボランティアとして活動しています。

 

私たちの活動は、途上国の農村部などの学校の教室や村のひろばを「即席の映画館に変える」活動です。

「生まれ育った環境に関係なく子ども達が夢を描き、人生を切り拓ける世界をつくる」というビジョンのもと、途上国の子ども達に移動映画館で映画を届けています。





皆さんが小さい頃に思い描いていた将来の夢は何でしたか。

 

私たちが、活動拠点とするカンボジアなど、様々な情報にアクセスできる環境にはいない子どもたちに将来の夢を聞くと「学校の先生」や「お医者さん」とばかり答えます。それは、身の回りの大人の姿からしか夢を描くことができず、限られた選択肢しか知らないからでした。

そこで私たちは、そんな子どもたちに様々な世界や生き方をみせてくれる「映画」を届けることができたなら、子どもたちはどんな人生を描くのだろうと考えました。

映画を通していろいろな世界を知ることで、子どもたちが自分なりの夢を持てるようになると信じて活動しています。私たちは映画を届けるこの活動を“夢の種まき”だと思っています。



私たちの活動はとてもシンプルです。


映画館のない地域に、映画作品とプロジェクターやスクリーンなどの上映機材を持ち込み、学校の教室や村のひろばで上映会を行っています。2012年の団体設立から、約8万人の子どもたちに映画を届けてきました。

 

上映するのは、許諾を得た日本のアニメーションが中心です。文字が読めない子どもでも映画を楽しめるよう、現地の言葉に吹き替えています。

主な活動拠点のカンボジアでは3人のカンボジア人を“映画配達人”として雇用し、副業として定期的に移動映画館を開いてもらっています。ほかの国では、現地に滞在する日本人に“映画配達人”を委託して移動映画館を実施しています。

 

国内では、マンスリー会員様の募集、イベント開催の収益などで、子どもたちに映画を届ける仕組みを整えるなど、様々な取り組みを行っています。



Photographer:Maho Krosawa



まだ映画を観たことがない子どもたちに映画を届けたいと考えた時、どんな顔で楽しんでくれるのだろう、どんな感想を持つのだろう、映画からどんな夢を描いてくれるのだろうと想像をすればするほど、子どもたちが楽しみながらも、自分なりの“好きな道”を描いて歩んでほしいという想いが溢れてきます。その駆け巡る想いこそがクリエイティビティなのかと私は思っています。

 

皆さんにとって「映画」とはどんな存在でしょうか。

私たちが映画を届けるのは遠くの国の子どもたちかもしれません。

でも、みなさんが「映画」を楽しむように世界中の子どもたちにたくさんの映画が届いて、すべての子どもたちが自分の“好きな道”を選んで歩むことができる世界になったなら、世界は少しだけいい方向に進むのかなと思っています。私たちと一緒に子どもたちの自由な人生に思いを馳せていただけたら嬉しく思います。


Catalyst
img
菊地 夏美
NPO法人ワールドシアタープロジェクト副代表

1994年生まれ。宮城県の自然の中で育つ。中学生の頃に途上国の子どもたちへの支援に関心をいだき、学生時代には全国3,500人の学生が所属する国際ボランティア団体の支部代表として国内外でのボランティア活動を経験。 大学4年次にワールドシアタープロジェクトの代表・教来石の著書『ゆめのはいたつにん』に感銘を受けボランティアとして参画。現在は民間企業にて働く傍、ワールドシアタープロジェクトの副代表として活動している。TEDx Kumamoto2021登壇。

Read More