2022.2.22

Sustainability

【レポート】ゼロウェイストタウン上勝町へ行ってきた

ずっと行ってみたかった「ゼロウェイストタウン」上勝町。
徳島県の山間部にある人口約1500人の小さな町ながら、2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表。住民がゼロウェイストセンターにて45種類に仕分けてリサイクルを推進していて、リサイクル率は80%以上。そんな街で開催された「GREEN WORK KAMIKATSU」に参加した2泊3日を「サステナビリティと創造性」という視点からレポートします。

近藤 ヒデノリ

#サステナビリティ  #SUSTAINABLECREATIVITY  #CIRCULARECONOMY  #SDGs  #Circular Creativity Lab 



「ゼロ・ウェイストからサステナブルへ。上勝町の未来を考える企業参加型プログラム」として開催された「GREEN WORKS KAMIKATSU」。気候危機やサーキュラーエコノミーに取り組むゲストスピーカーや大企業、スタートアップ企業などの多様な参加者と上勝町の各所を見学して街の取り組みや課題を知り、解決プランを考え、大いに刺激を受けた3日間。


ZERO-WASTE CENTER


「Waste」とは廃棄物や無駄、浪費のこと。そうしたWasteをなくすことを目指すこの町の象徴的存在が「WHYという疑問符を持って生産者と消費者が日々のごみから学び合い、ごみのない社会を目指して」つくられたゼロウェイストセンターだ。



Zero Waste Center、HPより


45種類のゴミの分別所。素材ごとに再生にかかる費用や何に再生されるかが表示されており、町全体としての廃棄処分費用を節約する一方、高齢者が半分を占めるなか「分別が面倒」という声も上がっているとのこと。

循環から生まれる「不揃い」「多様性」「唯一性」の美



ゼロウェイストセンター

ゼロウェイストセンターに到着してまず目につくのが、大量の廃棄された窓サッシでつくられた外壁だ。今回のWSに参加していたリビルディングセンター(諏訪)や同センターの協力でつくられた「THE NUTS EXCHANGE」(代々木八幡)や「アルプスごはん」(松本)でも同様式が用いられている。

大量生産時代に求められる「均一性」「統一感」「効率性」とは真逆の
廃材から作られているからこその「不揃い」「多様性」「唯一性」の美

前者は、機械的にスピーディーにつくれて予算も安く済むかもしれない。そうしてつくられたゴミを資源として活用した後者は、少々時間も手間もかかって不揃いだけど、人の手の関わる自由があり、多様なモノのストーリー、その組み合わせによる「唯一性」から「愛着」も生まれ、より長く使いたくなるのではないだろうか。

窓サッシではないけど、拙宅兼地域共生の家「KYODO HOUSE」でも林業に携わるトビムシの紹介で国産の廃材・未利用材をあえてバラバラに凹凸をつけて外壁にし、フローリングにも使っている。

建築でも、モノでも、洋服でも、食べ物でも・・・
フラットでクリーンなものよりも、手触りや味わい、ストーリーのあるものを。
すぐゴミになるものよりも、循環して愛着をもって長く味わえるものを。
そんな「不揃い」「多様性」「唯一性」の美に惹かれるのは僕だけではないはずだ。


空き瓶でつくられたシャンデリア。ゴミも「資源」としてうまく活用すれば素敵になる好例。

企業とのコラボでリサイクル廃材からつくられたレゴブロック。


奥にはホテルも。こちらも廃材でつくられた不揃いの「HOTEL」の文字もいい感じ。

ホテルのピロティの石庭。東洋的な「円」が美しい。


IMAGINATION IS
MORE IMPORTANT
THAN KNOWLEDGE


2日目に訪れたのはクラフトビール「RISE & WIN BREWING」の醸造所「STONEWALL HILL」。やけに長い英語名と思ったら「RISE & WIN」とは「上勝」の直訳で、この醸造所も元々あった工場をリノベーションし、最近ではクラフトビールの製造過程で生まれる廃棄物も微生物の力で液肥にして耕作放棄地だった畑に撒いて土を再生し、農業も始めているとのこと。

印象的だったのは、醸造所内の研究室に掲げられた「IMAGINATION IS MORE IMPORTANT THAN KNOWLEDGE(想像性は知識よりも重要だ)」というメッセージ。「廃材」や「ゴミ」をいかに「資源」とみなして、いかにそれらを組み合わせて循環を生み出し、再価値化するか。モノが有り余る時代だからこそ、そうした想像性・創造性がますます大事になっている。



KYODO HOUSEにもそっくりな廃材を活用した醸造所内の研究室。

小さな醸造所と併設したクラフトビールの販売所「RISE & WIN BREWING CO.」。

廃棄窓ガラスや古家具を活用した開放的な店内。

バックヤードではBBQやキャンピングカーでの宿泊もできる。個人的には奥のシャワー小屋が制作予定のサウナのイメージソースに。

「正しさ」だけでない「楽しさ・美しさ」を生む創造性


短い滞在ながら、ゼロウェイストタウン上勝町の素晴らしい取り組みに触れた一方、「ゴミの分別が面倒」という声など町の人口の半分を占める高齢者の意識との乖離、人口減少・少子高齢化・働き手不足という日本各地に共通する課題も見えた。

3日目のWSでは、僕らのチームでそうした町の住民の「面倒」に見合う「メリット」をいかに「見える化・還元」できるか。どうしたらもっと外から人を呼ぶことができるかを考えた。他チームからも素晴らしい案が出ていたなかで、あらためて感じたのは、UoCでも常々大事にしていることだが、横文字のサステナビリティやゼロウェイストという「正しさ」の押しつけではなく、いかに多くの人が「楽しい」「美しい」「おもしろい」と感じられるモノやコト、仕組みをつくるための創造性や妄想の大切さだった。

そんな意味でも今回ゲスト参加していた安居さんが言っていたオランダの「Learning by Doing」の精神で、UoCでの創造性で廃材を活用する「Circular Creativity Lab.」での実験を進めながら、今回の参加者や地下水脈のようにつながる全国の「仲間」たちと今後、東京や上勝町で協働・創発していく先に、世界に誇れる「ゼロウェイストJAPAN」が生まれてくるのだろう。

各地で起きつつある「渦」をさらに広げていくためにも、年末あたりに赤坂のUoCでサーキュラーエコノミーを推進する全国の仲間と集うサーキュラーサミットをやってみたい!という妄想も抱きつつ、今回のレポートはこの辺で。近いうちにまた会って妄想し、実践につなげられたらと思っております。ありがとうございました&よろしくお願いします!

・・

★参加者募集中!

UoC 創造性ゼミ(2/28(月)正午 申し込み締め切り)
Tokyo Urban Farming|Circular Creativity
創造性で暮らしと文化を粋に”再生”しよう
https://uoc.world/projects/common/detail/?id=7m6m3w3yr