2022.7.27

Sustainability

【連載】Sustainable Sketch by サスデイラボ Vol.4: 食のSUSTAINATOOL

サステナブルドリーマーズなクリエイティブ集団「サスデイラボ」が、エスキースから試作制作までをこなせる職能を活かし、サステナブルな社会をつくるプロダクト、仕組みや思想につながるようなアイデアを提案する連載。

#【連載】Sustainable Sketch 


日本は、フードロスが社会的問題となる一方、カロリーベース総合食料自給率(令和2年度)が37%と他の先進国に比べると低く、政府は2030年度までに同自給率を45%に引き上げることを目標に掲げている(※)。

そして、食料の生産という点では、地球温暖化によって、いままでその土地で育っていた農産物が育ちにくくなり、転作を試みているという話や、海に目を向ければ、捕れる魚の種類が変わってきているというニュースも見聞きする。

農作物や魚の種類が変われば、生産に必要な道具も変わる。持続可能な食について考える時、道具からアプローチしてみるのも一興ではないだろうか。

そこで、食のサステナブルを実現するサスデイラボの「食のSUSTAINATOOL」を見てみよう。



※農林水産省ウェブサイト(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1301/spe1_02.html


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Sustainable Sketch 01-1:開かれたキッチン(戸建編)

サステナブルな食は、サステナブルなキッチンから。キッチンを外に開くことで、限られた資源の有効活用を目指す。シンクで使った水は、水路を通って家庭菜園へ流れ、かまどのようなコンロは家の外からも使え、雨水が貯まったタンクを温めてお湯を沸かすこともできる。冷蔵庫は家の外からも開閉でき、電源は太陽光パネルと電力会社からとのハイブリッド給電を想定。

 

M子:楽しげなキッチンね!露天風呂もあって戸建ならではのアイデアよね。

 

Kaji:マンションでも少しならいける。




Sustainable Sketch 01-2:開かれたキッチン(マンション編)

キッチンの窓は外とつながり、キッチンで使った水は、水路を通ってベランダ菜園へ流れる。

 

M子:水路付きのシンクは、昔あった共同の水場みたいね。段々になっていて、一番上から、飲料用、米とぎ、洗い物、足洗いといった具合に水を使うやつ。

 

Kaji:もっとハイテクなやつも考えてみた。

 




Sustainable Sketch 02:トレータブレット

エッジが少し立ち上がっていて、片手でも持つことが出来るツルツル抗菌液晶タブレット。

陶器、磁器、ガラス、金属などの素材表現に加え、季節の風景や品のある模様など料理の演出は無限大。

 

M子:SF映画に出てきそうなお皿ね!

 

Ippo:お皿は1枚で十分なのかもね。ちなみに、爪楊枝は半分で十分だよ。

 

M子:つまようじ?

 




Sustainable Sketch 03-1:爪楊枝ミニ子

こけし部分はそのままに、長さは一般的な爪楊枝のおよそ半分(32.5mm)に。

 

M子:みじかっ!使えるの?

 

Ippo:使えるよ。




Sustainable Sketch 03-2:爪楊枝ミニ子(大人が持った場合)

爪楊枝の用途は主に2通りあるが、ミニ子は、お弁当などのおかずをさしたりする用途ではなく、食後専用。

 

Ippo:爪楊枝の上の部分ってこけしって言うんだよね。

 

M子:知らなかったわ。

 

Taka:確かに食後専用ならハーフサイズでもいいかもね。資源の有効活用ということなら、お箸もいけるよ。


 



Sustainable Sketch 04-1:兼用箸(ナイフ&フォーク)

食べる道具である箸を他のものとの兼用で使うアイデア。周囲を見渡せば箸と同じくらいの長さ・太さの道具はある。

例えば、長さと太さがほぼ同じのナイフ&フォークは箸としても使え、資源の有効活用に。

 

M子:半農半Xというライフスタイルがあるけど、これは半箸半Xといったところね。

 

Taka:他にもあるよ。

 

M子:ほう。



Sustainable Sketch 04-2:兼用箸(他のバリエーション)

細長い野菜は箸として使い、最後は胃袋へ。鉛筆も箸として使える。

 

M子:確かにサイズ感はいいけども・・・・。

 

Taka:食のサステナブルを考えた時、自給って大事だと思うんだよね。で、こんなのどうかなぁと。


 



Sustainable Sketch 05:調味料コンテナ付きベルト&スマートグラス

道草をおいしくかっこよく食べる道草食スタイルの提案。

ベルトに小さなコンテナが装着できるようになっており、塩、ポン酢、チリソースなどの道草にあいそうな調味料を入れて持ち運ぶことができる。また、道草を洗うための水も。

オプションのスマートグラスをかければ毒性のある草かどうかのチェックができる。

何かあった時のための応急薬も忘れずに。

 

M子:道草を食べるのはちょっと抵抗が・・・・。

 

Taka:山でキャンプする時なんかも使えると思うよ。

 

M子:まあ、ありかもね。

 

Kaji:道草が食べられて雨水が飲めればかなりいけると思う。




Sustainable Sketch 06:雨水浄化フィルター内蔵の柔らかい器

器には雨水浄化フィルターが内蔵されており、たまった雨水はフィルターを通して飲むことができる。器本体は環境配慮型シリコン製で柔らかく折りたたみ可。

 

M子:だんだんとサバイバルな感じになってきたわね。

 

Kaji:人生はサバイバルやからね。

 



Sustainable Sketch 07:Roadside fruits(ロードサイドフルーツ)

街の中(道路、公園、市民センターの庭等)に果樹を植え、それらの管理、収穫、販売は研修をうけた成人なら誰でも担える産直サービス。

研修をうけた人は帽子がもらえ、テストにパスすると電動アシスト自転車と着脱可能な荷車が貸し出される。ワークシェアリングの場としても機能する。

 

M子:公共の果樹とフードデリバリーさんと移動販売の軽トラと、色々足して割った感じね。

 

Kaji:自分で食べてもいいしね。

 

M子:いいわね。

 

いかがだっただろうか。

食のシーンを思い浮かべると、テーブルで食べる食事、キャンプやバーベキュー、立ったままでも食べられるパウチ入りのゼリーなど様々だ。

ペットボトルに入った水を買って飲むというスタイルはすっかり定着しているが、これからは脱プラのスタイルに変わっていくことが考えられる。

食文化の発展は、道具の発展と重なる部分も多い。

持続可能な食の未来は「食のSUSTAINATOOL」により開かれるのではないだろうか。



 

●Profile

サスデイラボ:

2021年5月に結成。サステナブルへの探求心を認め合い、研究と実践を行うクリエイティブ集団。評論するよりアイデア出そうが暗黙の了解となっている。穏やかで熱く、駄洒落好きな面々。

Taka:早川貴章(プロダクトデザイナー/ http://chodesign.jp

Kaji:梶本博司(プロダクトデザイナー/ http://hiroshi-kajimoto.com

Ippo:古小路一歩 (インテリアデザイナー/ https://www.hutocolo.com

Syota:組地翔太(プロダクトデザイナー/ http://www.kumijidesign.com/

M子:早川昌子(環境NGO/「古民家びと」編集長https://cominka.jp