2022.10.11

Sustainability

【連載】Sustainable Sketch by サスデイラボ Vol.5: The Susday City

サステナブルドリーマーズなクリエイティブ集団「サスデイラボ」が、エスキースから試作制作までをこなせる職能を活かし、サステナブルな社会をつくるプロダクト、仕組みや思想につながるようなアイデアを提案する連載。

#【連載】Sustainable Sketch 


日本は、2015年に採択されたパリ協定を背景に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目標とすることを宣言しており、「ゼロカーボンシティ」を表明する自治体は766となっている(※)。

ゼロカーボンとは、温室効果ガスの「排出量」から、植林や森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることであり、温室効果ガスとは、主にCO2(二酸化炭素)のことで、インターネット上では、自治体ごとのCO2排出量推計データなども公表されている。

ゼロカーボンを目指す街づくりにおいては、CO2排出量の削減が進むとともに、どんなテクノロジーが必要となるのだろうか。

そこで、サスデイラボが描く未来都市「The Susday City」をのぞいてみよう。

環境省資料 2022年8月31日時点より



Sustainable Sketch 01:NEWクリーンモビリティ


赤:バルーンで少し浮かせ、道路とタイヤの抵抗を減らした超省エネハイブリッドカー。

青:風と太陽のエネルギーを利用する水陸両用のハイブリッドモビリティで帆がソーラー発電になっている。

また、時短へのニーズに応えるスピード重視の車線とは別に、ゆっくりのんびり移動したい人のための専用車線を設けることも提案。

 

M子:水陸両用のニーズってあるかしら?!

 

Taka:気候変動の影響で突然の豪雨が増えてるし、今後も増えると言われてる。

 

M子:そっかぁ。確かに、膝より高いところまで浸水する場所もあるものね。

 

Taka:あと、街のゴミはロボに任せられたらなあと。



Sustainable Sketch 02-1:八百万ロボット(フンコロガシ型)


小さなエネルギーで動くゴミ回収ロボット。個体別に回収するゴミの成分と質量がインプットされており、回収時からの分別が可能。一定量のゴミを回収すると巣テーションにゴミを運び、自らは充電し、再びゴミ回収に向かう。

 

M子:フンコロガシがモチーフなのね。踏まれそう(笑)

 

Taka:センサーが付いていて上手くよけられる想定。



Sustainable Sketch 02-2:八百万ロボット(コウモリ型)


小さなエネルギーで動くゴミ回収ロボット。フンコロガシ型と同様にゴミ回収を行い、充電もする。空中を飛ぶことができるので、フンコロガシ型よりも巣テーションへ戻る経路が直線的で速い。

 

M子:飛ぶタイプも!でも、小さくて軽いゴミしか持てそうにないわね。

 

Taka:風でフワフワ移動する菓子パンの袋なんかもレーダー機能ですばやくキャッチ。

 

M子:確かにそういうゴミあるわね。

 

Taka:一度の回収量が少なくても、何度も回収すればいいしね。

 

M子:フンコロガシやコウモリを多く見かけたら、人がゴミを多く出している証拠ね。

 

Taka:それから、リサイクル機みたいなものがあちこちにあれば、いいなあと。



Sustainable Sketch 03:街角ファクトリー


プラスチックのマテリアルリサイクル用の機械。ゴミ箱のようにコンビニの前等に設置されていて、スマホのアプリから注文すれば、原料を入れるだけでスマホケースが出来る。ユーザーは原料として、壊れた洗濯バサミやプラレールなどを持参する。

 

M子:壊れた洗濯バサミを入れて、おしゃれなスマホケースが出てきたらすごいわね。

 

Kaji:おしゃれでの勝負なら、まかせて。



Sustainable Sketch 04:超小型水玉冷却ファンファッション


一見、ただの水玉模様のファッションかと思いきや気候変動対策ファッション。水玉模様に見えるのは小さな冷却ファンで、猛暑でも涼しく過ごすことができる。

 

M子:めちゃくちゃおしゃれな空調服。

 

Kaji:パリコレで発表するくらいのファッションブランドから出てきたら面白いと思う。

 

M子:気候変動対策になりそうね。

 

Kaji:気候変動と言えば、豪雨やね。

 

M子:豪雨対策のアイデア?




Sustainable Sketch 05-1:いざ発電(水力発電)


普段は水面より上の方の橋の柱に水力発電の機械が設置されており、急な豪雨により水かさが増してくるといざ発電が作動する。

 

M子:この風景って、有名な浮世絵の。

 

Kaji:別の風景のいざ発電もある。



Sustainable Sketch 05-2:いざ発電(ビル上風力発電)


普段はビルの屋上に風力発電の機械が設置されており、急に大きな風が吹いてきた場合には風力発電装置のいざ発電機能が作動する。

 

M子:風力発電装置は普段はたおしておく必要ってあるのかしら。

 

Kaji:「いざ」やからね。




Sustainable Sketch 06:新・東京


かつての江戸のように富士山が見えることにこだわって東京の都市計画を変える提案。

地上への建設は条例等により厳しく制限することにより、建物は地下に伸び、いたるところから富士山が見られるようになる。

 

M子:徳川家康は富士山が見える街づくりをしたと言われているわよね。



Sustainable Sketch 07:完全山手線

時速5kmくらいでゆっくり回る山手線の新しいカタチの提案。車両が全てつながっておりホームもつながっており、どこからでもいつでも乗り降り自由。加速減速がないから省電力。

 

M子:通勤に時間がかかりそうな印象なんですけど・・・・。

 

Kaji:急がない、急がない。車中で仕事しながら移動できるんやし、ええやん。

 

M子:そうかなあ・・・・。

 

Kaji:全周が駅前で街づくりが変わるんやで。

 

M子:全周が駅前?!

 

いかがだっただろうか。

私たちの暮らしの風景は、良くも悪しくもテクノロジーから多大な影響を受ける。

建築物、乗り物、衣服、食、スマートフォンなど、挙げだしたらきりがない。

どれも手放せないものばかりではあるが、「The Susday City」に登場したスピードを重視しないモビリティや、ゴミを一度にたくさん回収しない小さなロボなどのサステナブル・スケッチを見ていると、スピードや効率が私たちの暮らしの全ての場面で必要とは限らないこと、そして、暮らしの中にあるユーモアや余白の大切なことを思い出させてくれる。

これからの街づくりを考えるうえで、「The Susday City」にも一考の余地があるのではないだろうか。

 


●Profile

サスデイラボ:

2021年5月に結成。サステナブルへの探求心を認め合い、研究と実践を行うクリエイティブ集団。評論するよりアイデア出そうが暗黙の了解となっている。穏やかで熱く、駄洒落好きな面々。

Taka:早川貴章(プロダクトデザイナー/ http://chodesign.jp/

Kaji:梶本博司(プロダクトデザイナー/ http://hiroshi-kajimoto.com/

Ippo:古小路一歩 (インテリアデザイナー/ https://www.hutocolo.com/

Syota:組地翔太(プロダクトデザイナー/ http://www.kumijidesign.com/

M子:早川昌子(環境NGO/「古民家びと」編集長 https://cominka.jp/